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ダテック静岡通信2017

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静岡通信2017


静岡県内二茶、売り手市場 引き合い強く高値推移
(2017/7/15 )

静岡県内二番荒茶生産量と平均単価の推移


 2017年の県内二番茶の生産がおおむね終了した。品薄感から売り手市場になり相場は前年より1〜2割高で推移したが、14、15年の相場安で後退した生産意欲の回復につながるかは不透明だ。
 二番茶は一番茶とのブレンドやドリンク、紅茶原料などに使われる。今年の取引は需給逼迫(ひっぱく)の中で6月上旬に始まった。飲料関連業者を中心に茶商の在庫も少なく、買い手に焦りがみられた。県茶業青年団の調査では、繰り越し在庫率は前年比10ポイント減の14・4%と過去6年で最低だった。
 生産者から委託を受け、茶を茶商に販売するあっせん業者は「飲料業者からの注文分を確保するので精いっぱいだった」と振り返る。茶商と売り手の厳しい価格交渉はほとんどなく、買い手の関心は「どれだけの数量を販売してもらえるか」に終始した。静岡茶市場(静岡市葵区)の県内産二番茶の平均単価は794円(13日まで)と前年同期の2割高で、リーマン・ショック前の水準にまで回復した。
 二番茶の生産量は県全体では前年並みか、やや上回ったとみられる。ただ、生産を始める時期が早い地域は、生育不振で芽が伸びないうちに摘み取らざるを得なく、生産量は減少した。農家の高齢化が著しい中山間地は、重労働の割にもうけが少ないとして二番茶の生産を見送ったり、摘み取る茶園を減らしたりする傾向に歯止めがかからなかった。
 一方、芽が大きくなるまで摘み取り時期を遅らせた大型工場は、前年の生産量を上回った。各工場の生産量の前年比は、おおよそ70%から110%まで幅があったとみられる 
<製茶条例廃止方針>広がる波紋 静岡茶の誇りか商品の自由度か
(2017/7/8 )

 静岡県が7日までに明らかにした製茶指導取締条例の廃止方針が、茶業界の内外に波紋を広げている。茶業界では「茶が一般食材と同じように扱えるようになり、自由度が高まる」とする一方、「静岡茶の誇りが失われる」と賛否が分かれる。県消費者団体連盟(小林昭子会長)は来週にも、「廃止すべきではない」と県に申し入れるという。
 「消費者が静岡茶に抱いてきた信頼が崩れてしまわないか心配」と小林会長。子どもたちにもっと茶を飲んでもらおうと昨年制定した児童生徒愛飲促進条例とかみ合わないと指摘した。
 静岡市内の茶商は「酒やワイン、コーヒーにも添加物が入っていて当たり前。茶だけ特別扱いしていては業界が先細る」と強調。条例廃止は茶の健康効果を売りに、若年層に避けられがちな苦みや渋みを抑えた商品開発にもつながるとみる。
 流通業者からは県外産の添加物入りの茶も加工できるようになり、物流が活発化するといった意見が聞かれた。
 一方、島田市の製茶問屋「朝日園」の朝比奈明夫会長(72)は「静岡茶の信頼が損なわれる」と懸念した。さらに、うま味成分などの添加物が主流になった際に一番茶の需要が落ち込む可能性を指摘。「価格の安い二番茶に添加物を加えれば手間をかけずに一番茶並みの味になる。農家の生産意欲を奪うリスクがある」と話す。
 全国茶品評会で農林水産大臣賞の受賞経験がある県中部の生産者は「売った先で何が混ぜられるか分からないことは不安」と話した。
 県は10日から28日まで、条例廃止方針への県民の意見を聞くパブリックコメントを行う

茶産地市長 異論相次ぐ
 県製茶指導取締条例の廃止方針に対し、7日に静岡市内で開かれた定例市長会議に出席した茶どころの市長から「安易に廃止すべきでない」と異論や反発が相次いだ。
 牧之原市の西原茂樹市長が「新聞報道を見た地元の茶商や生産者からとんでもないという怒りの声が届いている」と切り出した。「静岡県が守ってきたお茶の品質はどうなってしまうのか。条例撤廃ではなく条例改正で対応すべき」と主張した。袋井市の原田英之市長も「時代に逆行する」と異を唱えた。
 県市長会長の北村正平藤枝市長は「茶業界も勝ち抜かねばならないと工夫している」と食品衛生法で許されている味付けや香り付けには一定の理解を示した。その上で、条例は「何より大事な静岡茶の品質保持に大きな役割を果たしてきた」と指摘。「申請手続きの簡素化や規制品目の緩和などの条例改正にとどめるべき」と述べた。
 田辺信宏静岡市長は静岡新聞社の取材に「次代に向けて育んでいくもの、新たに創り上げていくもの、双方に視点を当て議論していく必要がある」とコメントした。
 松井三郎掛川市長は、条例の廃止に「異存はない」と肯定的な立場。同市は今年策定した「茶振興計画」で、深蒸し茶を基本としながらもフレーバー茶など、多様な販売戦略で新たな需要喚起を図る方針を掲げた。松井市長は「買いたくなるお茶づくりに取り組む」と話した。 
 製茶条例廃止に反対 消費者団体連、静岡県に改正要請
(2017/7/11 )

 静岡県が廃止に向け意見公募を始めた県製茶指導取締条例について、県消費者団体連盟(小林昭子会長)は10日、廃止に反対し、改正するよう県経済産業部長に文書で要請した。
 条例は静岡茶に調味料や発色剤など「異物」を混入させることを原則禁止し、香り付けのために花や果実などを混入するには知事の許可を必要としている。
 同連盟は「条例を維持しつつ、新商品申請手続きを簡素化し、現在、規制対象外になっている抹茶や紅茶なども規制の対象に含める」よう条例改正を求めた。条例の厳格な規制に基づいて静岡茶の品質が維持されてきたと指摘。廃止すれば販売減につながると危惧した
新会長に上川陽子氏 日本茶業中央会
(2017/7/11 )

 日本茶業中央会は10日、都内で総会・理事会を開き、任期満了に伴う役員改選で新会長に上川陽子静岡県茶業会議所会頭=衆院静岡1区=を選任した。
 副会長に斎藤松太郎全国茶商工業協同組合連合会理事長(県茶商工業協同組合)、吉田利一全国茶生産団体連合会長(京都府茶生産協議会)を再任した。新任理事に成岡揚蔵県茶業会議所副会頭ら3人を選び、16人を再任した。任期はいずれも同日から2年。榛村純一前会長は顧問に就いた。
 上川氏は就任あいさつで、日本茶が海外で評価されていることや訪日外国人の増加見通しを示した上で「茶業は成長産業であるとの認識を共有し、一丸となって業界の発展に取り組む」と述べた。
 日本茶業中央会は両連合会と日本茶輸出組合、静岡、鹿児島、京都の3茶業会議所で構成し、茶業振興などに取り組む。業界の自主基準「緑茶の表示基準」の見直し作業を進めていて、茶の名称や定義について2017年度中の策定を目指している 
<製茶条例廃止方針>背景に「食」の法整備 「着香」解釈に懸念
(2017/7/8 )


うま味成分や発色剤が使用された県外緑茶の表示


 静岡県が7日までに製茶指導取締条例の廃止方針を決めた背景には、食の安全・安心への消費者の意識の高まりを受けて食品衛生法や食品表示法の整備が進んだことがある。県によると、廃止しても、茶工場の清潔維持は食品衛生法で管理され、立ち入り検査も同法に基づいて実施される。
 「着味・着色」についても、使用した添加物の表示が食品表示法で義務付けられている。実際、県外で製造販売されている茶には添加物の表示がされている。
 県条例によらなくても、添加物の規制と表示義務は食品衛生法と食品表示法で規定されていることを、県は条例廃止の理由に挙げる。
 銘茶産地であり、同時に全国一の茶問屋街がある静岡市の田辺信宏市長は静岡新聞社の取材に「静岡茶の信頼、ブランドを確立するために県条例を定め、官民一体となって取り組んできた。一方、時代が求めるお茶づくりをしていくために規制緩和も求められる」と回答し、条例の改廃について言及しなかった。
 県茶業会議所は昨年、条例の廃止ではなく改正を県に要望した。着味・着色の禁止規定は残し、フレーバー茶など「着香」は知事の許可手続きを緩和してほしいという内容。これに対し県は、着味・着色と着香の境界が曖昧で、業界の都合に合わせた恣意的な規定になってしまうと懸念したという。
 既に県は廃止方針を県茶業会議所や県茶商工業協同組合、JA静岡経済連に説明。県幹部は「目立った異論は出なかった」と話す。
 県茶業会議所会頭に先頃就任した上川陽子氏は7日、静岡新聞社の取材に「条例は施行から約60年たつ。今の時代に合わせてどうすることが適切か、県や議会でしっかり議論してほしい。新しい条例をつくるほどの動きを期待したい」と述べた 
 県製茶指導取締条例の廃止 10日から意見公募
(2017/7/7 )

 県製茶指導取締条例の廃止に向け、県は10日から28日まで、県民の意見を聞くパブリックコメントを行う。
 条例は県内で製造、販売する茶に添加物や他の食品(玄米を除く)など「異物」を混入することを原則禁止している。慶事用に金粉を入れる商品などは知事の許可が必要になる。
 県によると、知事許可の申請件数は2016年度までの5年間は年間約30〜50件で推移した。金粉のほか、大豆、リンゴ、かつお節などを許可したという。
 条例は1956年に施行され、調味料を使ってうま味を強調したり発色剤を使って外観をよくしたりする「着味・着色」を排除することで静岡茶の声価を維持してきた。県は今回、制定当時には想定されなかった香りを高めた緑茶新商品の開発が進んでいることや、食品衛生法や食品表示法との整合性などを検討し、条例廃止方針を固めた。
 条例は違反者に1年以下の懲役または30万円以下の罰金を規定しているが、過去に罰則を科した例はないという。
 県製茶条例廃止へ 「着味・着色」禁止を転換
(2017/7/6 )
 静岡県は、静岡茶の「着味・着色」などを禁じた県製茶指導取締条例を廃止する方針を5日までに固めた。近年、人気を集める香りを付けた商品なども規制対象に含まれ、消費者が求める多彩な新商品の開発を制約していると判断した。
 条例は1956年に粗悪品を排除するため施行され、県内で製造販売する荒茶や仕上げ茶に調味料や発色剤を使ったり、茶以外の食品や添加物を加えたりすることを原則禁じている。混ざり物なしという静岡茶の声価を高める一方、フレーバー茶などの製造のため花などを混ぜる場合、個別に知事に届け出なければならず、手続きが負担だと業者から不満が寄せられていた。
 県内の茶生産者、商工業者の団体でつくる県茶業会議所は昨年6月、制定当時とは茶製造技術や食品安全を取り巻く事情が変わったなどとして条例の改正要請を決定。食品衛生法より厳格な規制が静岡茶の品質維持に役割を果たしてきたことから、条例は維持しつつも申請手続きの簡素化や、規制対象外になっていた抹茶や紅茶なども対象に含めるよう求めた。
 県は、食品衛生法や食品表示法などの整備が進んだことを踏まえ、悪質な業者の取り締まりを目的にした条例は役割を終えたと判断し、改正ではなく廃止を選んだ
新会頭に上川陽子氏 静岡県茶業会議所、職務代理者に成岡氏
(2017/6/28 )

 静岡県茶業会議所は27日、総会・理事会を静岡市葵区の県茶業会館で開き、新会頭に衆院議員の上川陽子氏(64)=静岡1区=を選任した。任期は2年。女性が会頭に就くのは初めて。3期6年会頭を務めた榛村純一氏(82)は高齢を理由に退任した。
 現職の衆院議員の会頭就任に当たり、職務代理者を置く規定を新設した。国会会期中や公職選挙法で禁止されている寄付行為などに対応できるよう成岡揚蔵副会頭(64)=県茶商工業協同組合理事長=を選任した。
 上川氏は就任あいさつで、子どもたちが茶文化に親しむ「茶育」などを重要課題に挙げた。
 茶価低迷と生産減が進む現状に「八十八夜に合わせて新茶を売るモデルからの脱出を図り、茶園を荒廃させない施策を考えたい」と話した。

 <メモ>静岡県茶業会議所 JA静岡経済連と県茶商工業協同組合で構成する公益社団法人。茶生産者や茶商工業者が負担する茶業振興費や県の補助を受けて、静岡茶の普及や生産流通対策など県内茶業の振興に向けた総合的な事業を行う。1958年設立。初代会頭を除き、8代目の榛村純一氏までの歴代会頭は、全国茶主産地の関係機関でつくる日本茶業中央会会長も務めた 
  「茶の都」文化で底上げ 関連施設連絡会が発足
(2017/6/27 08:25)
茶文化関連施設の情報を共有した連絡会の初会合=静岡市駿河区


 静岡県内の茶文化関連施設がそれぞれの運営計画やイベント情報を共有する連絡会が26日までに発足した。「ふじのくに茶の都ミュージアム」(島田市)の2018年3月開館を見据え、官民一体で生産、流通とも日本一の「茶の都」を文化面からも底上げするネットワークにしようと意気込む。
 世界緑茶協会(静岡市駿河区、会長・川勝平太知事)が呼び掛けた。同協会の大石哲也企画部長は、「横のつながりをつくって愛好者の裾野を広げることで、茶の消費や茶産業の発展に寄与したい」と話す。
 各施設の情報をウェブ上で収集・共有するための連絡体制も整えた。同協会によると、今後メールで情報のやりとりや取りまとめを行い、必要に応じて同協会のホームページにも日本語と英語で掲載する。年1回を目安に会合を開くという。
 静岡市駿河区でこのほど開催した初会合には「玉露の里」(藤枝市)、「グリンピア牧之原」(牧之原市)など公営・民営合わせて9施設の運営担当者や県茶業会議所の担当者など14人が参加し、施設活性化のヒントを探った

フォーレなかかわね茶茗館(川根本町)の藤森敦館長は、施設での呈茶を通して茶のファン拡大や消費促進につなげる取り組みを発表し、「今後も幅広い情報の発信や交換を通して、静岡茶の魅力をさらに広める場になれば」と連携への期待を述べた。県茶業会議所の小沢俊幸専務理事は、外国人向けコミュニティーサイトなど静岡茶の魅力を発信する会員制交流サイト(SNS)の活用例をPRした。
 「ふじのくに茶の都ミュージアム」の山根正嗣副館長は、施設の運営体制や整備スケジュールを説明し、茶の効用、茶草場農法などの展示予定内容を紹介した

 <メモ>ふじのくに茶の都ミュージアム 県が2016年6月に島田市から「お茶の郷博物館」を買い取り、18年3月のリニューアルオープンを目指し再整備を進めている。3階建ての展示棟、2階建ての商業棟、木造平屋の茶室で構成される。敷地面積約2万平方メートル、延べ床面積約4500平方メートル。総事業費は約11億円
 静岡「お茶缶」に他業界注目 販促品など用途広がる
(2017/6/6 )

用途が多様化している「お茶缶」=5月、静岡市葵区の鳥居製缶

 お茶の葉保管用の「お茶缶」の使い道が多様化している。紅茶やコーヒー、アメなど他の食品の容器としてだけでなく、缶の表面に企業広告などを印刷してお茶缶そのものを広告媒体として活用する他業界からの注文も増えている。
 「急須がない家庭が増え、お茶缶本来の需要は減っているが、用途は多様化している」と「鳥居製缶」(静岡市葵区)の鳥居広社長は話す。県内では中元や仏事の返礼品として定番だった「お茶缶に入った静岡茶」のニーズは緑茶ドリンクが普及した2000年ごろから急激に低迷。販路を紅茶専門店などに広げてきた中で、さまざまな商品パッケージデザインを手掛けるクリエーターたちから受注が伸びてきたという。
 紅茶や土産物の菓子を入れるおしゃれな包装材としての用途のほかに目立つのが、自動車など缶の中身とは別の商品をPRする販促品としての活用。依頼主は、輸入車販売店やコンサートなどのイベント主催者、創立記念を控えた一般企業などさまざまで、ゴルフティーを持ち運ぶための容器缶としてゴルフ大会で出場者に記念に配りたいという注文もあり、「他業界での意外な使われ方に驚くばかり」と鳥居社長は話す。
 同市駿河区の「静岡製缶」(山梨勝社長)では、10年前までは商品の9割超だった緑茶用の缶の割合が、数年前から5割を割り込んだ。近年は、小ロットから好みのデザインを印刷できる「オリジナル缶」の受注を強化し、異業種に販路を広げている。
 「お茶缶メーカーには、ふたの形やサイズなど金型のバリエーションが既に豊富」と松永明人常務。小ロットから安価で好みの印刷を施せる点が販促品としての需要にもつながっているという。
全小中校で静岡茶提供 県民会議、19年までに整備
(2017/5/31 )

 静岡県内の子どもたちに茶に親しんでもらうことを目的にした児童生徒の静岡茶愛飲促進条例に基づく県民会議の初会合が31日午前、県庁で開かれ、2019年までに県内の全小中学校で茶を提供できる環境づくりを目指すことを確認した。
 同会議は教育関係者を中心に生産者や茶関連団体の代表ら13人で構成する。会長に就いた山田幸男富士市教育長は「茶を飲んでから学校に行きなさいと言われて幼少時代を過ごした。子どもたちに茶を飲んでもらえるよう実効性のある方法を考えたい」とあいさつした。
 県の担当者は県内806校の小中学校のうち287校で茶が提供されている現状を報告。やかんにティーバッグを入れて給食で提供するほか、ウオーターサーバーを置き、自由に茶を飲める環境を整備している事例を紹介した。未実施の学校では給湯設備や急須などの準備や、継続的に学校に茶葉が提供される仕組みづくりなどを課題に挙げた。
 委員は茶の効果的な提供方法や、食育への活用法などについて意見を交わした 
 静岡県産一茶「異例ずくめ」 生育遅れ、商機を逸す
(2017/5/28 )

静岡県内各産地から届いた茶の見本を前に商談を繰り広げた最盛期の取引=5月15日朝、静岡市葵区の静岡茶市場





静岡県内産一番荒茶生産量と平均単価の推移

 静岡県内の一番茶生産は27日までにほぼ終了した。今期は生産も取引も異例ずくめの展開になった。天候不順で生育が遅れ新茶商戦を逃した後も収量が伸びず、年間売り用の相場も高止まりし、生産者にとっても製茶問屋など流通業者にとっても厳しさが増した。一番茶の生産量は過去最低水準となることが確実視されている。

破格1キロ108万円
4月24日に静岡茶市場(静岡市葵区)で行われた新茶初取引で、JA富士宮の手もみ茶1キロに、富士宮市の茶商が108万円をつけて話題になった。
最高値は機械でもんだ茶にご祝儀込みで8万8800円などの慣例が破られ、業界内で賛否両論がわき起こった。「新茶シーズンを知ってもらう話題づくりになった」との声が聞かれた一方、これまで努力してきた関係者への配慮があってしかるべきという指摘も。初取引に手もみ茶が上場されるのも前代未聞で、業績低迷からの活路を模索する静岡茶市場の在り方に一石を投じた。

芽伸びに異変
 今期は3、4月の気温が低く推移。さらに生育を促す降雨が少なく、新芽の伸びが進まなかった。芽が小さいうちに摘み取り続けた農家はより減産になり、芽伸びを待った農家は収穫量は持ち直したが、生育が進んだ硬い葉が混ざって販売価格を落とした
茶の新品種「せいめい」育成 抹茶や粉末茶向け 農研機構
(2017/5/24 )

農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は23日、抹茶や粉末茶に適した茶の新品種「せいめい」を育成したと発表した。需要が高まっている抹茶・粉末茶の原料茶として普及を図り、日本茶のブランド力強化と輸出を含めた需要の拡大に貢献できるとしている。
 同機構によると、過去10年で抹茶・粉末茶の原料生産量は約1・4倍に伸びている。抹茶・粉末茶用の栽培では、新芽収穫前に2週間以上茶樹を覆う被覆栽培が主流。「せいめい」は緑茶の主要品種の「やぶきた」や、「さえみどり」に比べ、被覆栽培での収量が多いのが特徴という。
 耐寒性に優れ、関東以南の広い地域で栽培できるのも大きなメリット。「せいめい」は、清らかさの「清」と、茶を表す「茗」から命名した。
 同機構は1991年から同品種の開発に取り組んできた。果樹茶業研究部門の吉田克志上級研究員は「栽培が広がれば、高品質な国産緑茶で国内外の需要に応えられるはず」と期待を寄せた。 
ドリップ茶「素六」開発 JAなんすん、15日発売
(2017/5/10 )

JAなんすんは、沼津産の高級茶葉を使ったドリップタイプの茶商品「素六ドリップ」を開発した。県東部の茶業発展に尽くした江原素六翁(1842〜1922年)にちなんだ新しい茶ブランド「素六」のシリーズ商品として15日に発売する。
 急須のない家庭に対応するため、メッシュのドリップバッグに茶葉を入れた。バッグを開いて湯飲みに載せ、湯を注いで用いる。
 4月下旬に取った新芽だけを使用。生産は同JA管内の荒茶工場33カ所のうち、適切な販売管理などを県茶業会議所が認めた「T−GAP」取得工場5カ所に限った。担当者は「茶の飲用機会が広がってくれれば」と期待する。15日に沼津市内で開くお披露目会で、関係者らに振る舞う。
 同JAは1日から、素六ブランドの第1弾として「ドリップ」と同じ茶葉を使った「プレミアム沼津茶」を限定販売している。夏以降、素六名義の水出し茶、フレーバー茶などの発売も予定する。
 
おもてなしは 一流静岡県産茶で 豪華寝台列車「四季島」
(2017/5/3 )

5月から運行が始まったJR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」。人気沸騰の列車で、乗客に本県産の緑茶が振る舞われている。JRの一流のサービスを支える一流の茶―。関係者は「励みになる。世界一の品質を目指す茶生産者が一人でも増えてくれれば」と願っている。
 出されているのは深蒸し茶「掛川の誉(ほまれ)」をはじめ、牧之原市の茶問屋、相良物産(山本明男社長)での仕入れをベースにしたオリジナルブレンドの高級煎茶など。宮城県塩釜市の矢部園茶舗が納品している。
 乗客へは「氷水(ひょうすい)仕立て」で提供。急須に茶葉を入れて氷を詰めた後、半分まで水を蓄え、90〜120秒ほどかくはんする。四季島では、カクテルのようにリキュールグラスに注ぐ。矢部園の矢部亨社長(49)は「氷水仕立てにすることで、うま味が引き立つ」と話す。
 JR東日本が、最高級のサービスに資する提供の仕方として「氷水仕立て」に着目。試飲で料理との相性などを踏まえ採用が決まったという。食事やバータイムの際、ソフトドリンクの希望者に出している。
 矢部さんの祖父は牧之原市の相良出身。東日本大震災では津波で店舗などに大きな被害を受けたが「生産者の方に希望を与えられなければ、茶匠とは言えない」と言い切る。四季島への採用が決まり、相良物産の山本社長に報告した。生産者に伝えてほしい、とメールでこんなメッセージを託した。
 「皆さまの生業は生涯日本人として誇れること。世界中から注目されている夢のある仕事」
 茶と向き合う生産者の思いも含め「茶を伝える」ことが信条の矢部さん。緑茶の消費が伸び悩み、何かと後ろ向きな話題も目立つ茶業界にあって、四季島での茶の提供を実現し「日本茶には、人の心を動かす力が間違いなく宿っている」と強調した 
 新茶生育遅れ 静岡県内、生産量先行き不透明
(2017/4/29 )

八十八夜(5月2日)を前に、県内の新茶の生育が遅れている。今期は例年より遅い5月2〜9日にピークを迎える見通しだったが、4月に入っても気温の低い日が多く、「想定以上に新芽の伸びが悪い」との声が各産地から聞かれる。今後の生産量の先行きは不透明な情勢となり、茶業関係者は気をもんでいる。
 静岡茶市場(静岡市葵区北番町)への茶農家からの出荷量は増えず、相場は高値で推移している。例年なら取引場を埋め尽くす時期の28日早朝も入荷した茶の見本はまばらで、取引は盛り上がりを欠いた。
 JA静岡経済連の担当者は「全く先が読めない。知りうる限り初めての状況」と話す。今期は3月の低温の影響で生育が遅れる見通しだった。さらに、凍霜害など目立った気象災害はないにもかかわらず、萌芽(ほうが)から刈り取り適期までに日数を必要としているという。「3、4月の低温だけでは説明しにくい」と指摘し、生産状況を注視する。
 贈答用など八十八夜商戦が終わると茶は日常消費向けの相場に移行する。県内産地では28日に新茶の摘み取りに踏み切った農家も多い。同日、静岡茶市場を訪れた製茶問屋は「品質はいい。好天が続いて生産が増えれば値ごろになる」と様子見に徹していた
 新茶摘採盛期は5月2〜9日 静岡、前年より5〜6日遅れ
(2017/4/20 )

今年の静岡県内産新茶は芽伸びが前年より遅れ、主力品種のやぶきたの摘採ピークは「八十八夜」の5月2日から9日ごろになる見通しだ。JA静岡経済連茶業部が19日、調査結果を発表した。
 3月の気温が平年より低く推移したため、新芽の生育は前年より5〜6日、平年より3〜4日遅いと経済連は判断した。今後の気温上昇次第では前倒しになる可能性もある。
 4月4〜18日に県内72カ所の茶園で行った定点調査結果をまとめた。病害虫は全体的に少なく、凍霜害など気象災害もなかったため、新芽の生育は前年に続いて「極めて良好」という。
 経済連茶業部の担当者は、気温上昇に伴って生育が加速する可能性があるとし、防霜ファンなど遅霜への備えを生産者に呼び掛けている。「摘採期の短期集中が予想される。生産計画を立て、良質茶をつくる準備に努めてほしい」と話している。
 刈り取りの盛期入りは志太(藤枝、島田)、牧之原(牧之原、御前崎)が5月1日、小笠(菊川、掛川)が2日、中遠(袋井、磐田、森)と西部(浜松)が3日からなどと推定した。
 調査は県内茶生産者の摘採計画の参考にするため、JAと県が毎年同時期に行っている
三年番茶」商品化へ 島田、川根地区に企業組合
(2017/4/19 )

茶産地の島田市川根地区で、耕作放棄された茶園を活用した新ビジネス展開を目指す企業組合「ピース・ティー・ファクトリー」が発足する。3年以上放置され、伸び放題の茶樹を刈り取り、丸ごと粉砕して焙煎(ばいせん)した独特な茶「川根薪火三年番茶」を販売する。4月中に法人登記が完了する見込みで、今秋に予定する初出荷に向けて販路の開拓を進めている。
 組合を設立したのは、川根地区出身の東洋文理事長(53)=藤枝市=ら有志4人。三年番茶は刈り取った茶樹をチップ状に砕き、地元の山林から出る間伐材で火入れして製造する。カフェインが少なく、まろやかな甘さと木の香りが特徴。
 組合によると、川根地区は茶業が盛んな一方、高齢や後継者不在で茶園を維持できず、放置していることに後ろめたさを感じている人も多い。刈り取りを代行し、商品化する事業活動を通じて、里山の景観保全への貢献を図る。荒廃が進んだ茶園はイノシシなどのすみかになっていることから、周辺の農作物の鳥獣被害を軽減する狙いもある。
 長期間にわたって放置された茶園は農薬や化学肥料を使っていないため、健康食品愛好家を主な顧客に想定。専門店や自然食レストランなどを対象に販路を探るほか、物産展や通信販売での直売を手掛ける。養生茶としての普及も図り、事業を軌道に乗せたい考え。
 三年番茶は新芽が出る前の12月から3月までが収穫期で、現在は初年度出荷分の1500キロを加工・熟成中。東理事長は「繁忙期や対象顧客層が茶業と競合しない。農閑期の雇用につなげたい」と強調する。起業を支援した県中小企業団体中央会の担当者は「組合を活用して地域課題を解決する取り組みの先進事例。発展を支えていく」 
新茶、24日初取引 静岡茶市場、昨年より3日遅く
(2017/4/5 )

静岡茶市場(静岡市葵区北番町)は4日、全国に新茶シーズン到来を発信する新茶初取引の日程を24日に決めた。昨年より3日遅い。同日から八十八夜(5月2日)にかけて新茶商戦が本格化する。静岡茶市場と周辺の問屋街は茶の集散地で、茶市場では全国の約1割の茶が売買される。
 JA関係者との会議で、県内各産地の生育状況から一定の上場量が見込める週初めに決めた。一番茶の萌芽(ほうが)は総じて前年より5〜7日程度遅れているが生育は順調という。茶市場側は「先勝」の25日開催も提案したが、一日でも早く新茶ムードを盛り上げたいという声が挙がった。
 24日の取引開始は県内産茶が午前7時、県外産茶が同9時。午前6時半から各界代表を招いて式典を開き、今期の活況を祈願する。一般の見学も可能で、呈茶サービスやもちまきなどもある 
 茶草場コーナー拡充 「茶の都ミュージアム」施設概要を説明
(2017/3/17 )

静岡県お茶振興課は16日、島田市金谷地区で開かれた「静岡空港を活用したまちづくり研修会」(同市など主催)で、2018年3月下旬に開館予定の「ふじのくに茶の都ミュージアム」の概要を説明した。県は昨年6月に同市から「お茶の郷博物館」(同市金谷富士見町)を取得し、現在リニューアル計画を進めている。
 2階の展示はほぼ全面的に変更する予定。県内各産地を紹介する内容とし、茶の効能や世界農業遺産「静岡の茶草場農法」のコーナーなどを拡充する。
 駐車場から博物館までの来館者の動線を変えることや、博物館と茶室は県直営とすることなども説明。商業館の一角には茶業関係者が使用できるイベントスペースを設けるという。5月中旬から内部工事を開始する予定。
 同課職員は「体験プログラムなどを充実させ、家族連れが楽しく学べる機会を提供する。情報発信に努め、消費拡大に貢献したい」と話した
緑茶購入量・支出が微増 茶飲料は増加 16年家計調査
(2017/2/18 )

総務省が17日公表した2016年の家計調査(確定値)によると、全国の2人以上の世帯の緑茶購入量は15年比0・7%増の849グラムと2年ぶりに増加した。支出金額も2・0%増の4168円と3年ぶりに増加し、数量、金額とも微増になった。
 16年は数量、金額とも月ごとに前年同月比数%程度の増減を繰り返したものの、通年では微増で着地した。暖かい日が多かった10月に減少幅が大きかったが、気温が低下した11月は一転して増加幅が大きくなった。
 商品の平均購入価格は1・3%高い490円で13年並みまで回復した。
 静岡市の製茶問屋社長は「専門店向けの販売は厳しいが、スーパーや量販店向けは単価は安いが数量がまとまっていて、堅調だった」と話した。同市内の別の製茶問屋幹部は「普及価格帯も売れている一方で、100グラム千円以上の高級品も売り上げが戻ってきている」と売れ筋単価の二極化を指摘した。
 一方、茶飲料の支出金額は緩やかな増加傾向が続いている。16年は15年比7・9%増の6632円になり、現在の統計区分になった2000年以降で最高になった。
 コーヒーの支出金額も前年比2・0%増の6396円と00年以降で最高だった。00年以降減少していたが、04年ごろを境に回復基調に転じた。購入量は緩やかな増加傾向が続き、16年は15年比1・9%増の2457グラムと、00年以降最高を更新した 
荒茶生産量 静岡県3%減、「おおい茶」は増加基調
(2017/2/15 )

農林水産省が14日発表した2016年産の茶生産統計によると、主産地12府県の荒茶生産量は前年比1%増の7万7100トンだった。全国は推計8万200トンになり、2年ぶりに8万トンを回復した。静岡県は3%減の3万700トン。
 静岡県は品質確保のため新芽が小さいうちに摘採したり、15年の相場安を受け二番茶生産が見送られたりして2年連続減産になった。茶期別は一番茶が4%減の1万2100トン、二番茶が6%減の7740トン、三番茶が6%増の950トン、四番茶が2%減の211トン、秋冬番茶が1%減の9690トンだった。
 摘採実面積は主産府県3万4900ヘクタール(2%減)、静岡1万5900ヘクタール(2%減)。静岡は相場安の懸念から「芽追い」で摘採したこともあり、10アール当たりの生葉収量は主産府県平均の1040キロに対し890キロにとどまった。
 静岡に次ぐ産地の鹿児島の生葉収量は10アール当たり1530キロだった。一番茶は減産だったが、二番茶以降は引き合いが強まった。三番茶は9%増の4540トン、秋冬番茶は31%増の5310トンと大幅増産になった。
 全国生産の茶種別では、普通煎茶(深蒸し茶含む)が1%減の4万7300トンになった。抹茶原料のてん茶、かぶせ茶、玉露を合わせた「おおい茶」は、主産地の三重などの生産量が減少したためほぼ横ばいの6980トンになったが、国内外で需要が高まり、京都は3%増の1780トン、静岡も11%増の680トンと増加基調にある
 
  茶の経営モデル確立支援 静岡県、生産から販売まで一貫
(2017/2/1 )


静岡県は2017年度、荒茶価格の低下で採算が厳しくなっている茶生産の構造改革に向け、生産から販売まで一貫したビジネスモデルを構築する茶業者を支援する。高単価だが価格下落幅も大きい一番茶収入への依存を脱却し、年間を通じて稼げる経営モデルの確立を推進する。関連費用を17年度当初予算案に計上する。
 これまでは機械購入や茶樹の植え替えなど各作業ごとの支援が多かったが、17年度は経営視点を重視する。生産から販路確保まで、持続可能なビジネスモデルを提案してもらい、支援先を選定する。県幹部は、担い手が減少する中、しっかりしたビジョンを持った意欲ある経営体を積極的に支えていく姿勢を強調する。
 抹茶原料の碾茶(てんちゃ)生産や有機栽培への転換など、商機をつかんでいても生産転換や設備投資に踏み切れなかった茶業者を後押しする。県の統計によると、年間の荒茶生産額に対する一番茶の生産額の割合は、最近30年は80%〜72%前後が続く。一方で荒茶単価は下落し、生産者の収入は総じて減少傾向とみられる。収入源を多様化できれば、一番茶の相場や気象災害で収入が大きく変動するリスクを小さくできる。
 訪日観光客が増える中、本県の地域資源としてアピールできる美しい茶園の景観を維持する狙いもある
 茶業発展願い「初揉み」 ベテランが若手指導
 (2017/1/4)

静岡市茶手揉(もみ)保存会(牧野良治会長)は3日、同市葵区の産女会館で一年の健康と茶業の発展を祈願する行事「新年初揉み」を開いた。
 20代から80代までの会員約30人が参加した。ガス火で温めた台「焙炉(ほいろ)」の上で、両手をすり合わせるようにして丁寧に茶葉をもむと、新鮮な茶の香りが会場に広がった。ベテラン会員が経験の浅い若手会員に、もみ方を教えた。
 手もみを初体験した日本茶インストラクター鈴木和恵さん(45)=同区=は「茶葉が細く変化していく様子を見ることができ、貴重な体験だった。いつか手際良くもめるようになりたい」と話した。
 出来上がった約2キロの手もみ茶は、市や市議会などに贈呈する



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